ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)とは、血液型に関するハラスメントであり、相手の血液型によって人格を決めつけたり、否定したりする嫌がらせ行為のことを指します。
実際に、血液型と関連付けた心理テストや、性格診断などが多く存在しています。
コミュニケーションの一環として、「あなたの血液型は?」「何型なの?」と聞くことも多いでしょう。
しかし、悪気なく発言したことが、ハラスメントとして受け取られることも少なくありません。
特に、ブラッドタイプハラスメントは、無意識に行った言動や行動が、嫌がらせ行為だと受け取られることが多いハラスメントであるといえます。
こちらの記事では、ブラッドタイプハラスメントとはどのようなものなのか、その事例に触れつつ、対処方法と解決方法について解説します。
ブラッドタイプハラスメントとは?
ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)とは、血液型に関するハラスメントであり、相手の血液型によって人格を決めつけたり、否定したりする嫌がらせ行為のことです。
ブラッドタイプハラスメントは、略してブラハラ、ブラハラスメントと呼ばれたり、血液型ハラスメント(ケツハラ)などと呼ばれることもあります。
ブラッドタイプハラスメントは、悪気なく「A型だから几帳面なんだね」や「B型だからマイペースなんだね」などといった発言が原因で起こります。
血液型のみで相手の性格を断定してしまい、それが理由で相手に不快感を与えてしまうことが多いハラスメントです。
コミュニケーションの一環として、血液型について触れることがほとんどだと思います。
しかし、受け取り手によっては、血液型だけで自分を判断されたと感じる人もいます。
中には、人種差別をされていると感じる人がいることも事実です。
そのため、このようなトラブルを回避するためにも、血液型に結び付けて、「君は○○なんだね」といった、相手の人格を決めつけるような発言をするのは控えた方が無難といえます。
血液型と性格との関連性には科学的根拠は不明である
また、血液型に基づいて作成された心理テストや性格診断が多く存在していますが、血液型と性格の関連性は科学的には証明されていません。
私達は、自分が納得できる内容のものを都合よく解釈してしまう傾向にあります。
血液型に関して述べられている内容が、自分の中で納得のいくものであれば、安易にそれを信じてしまいます。
しかし、自分のものさしで血液型と性格が関連していると判断して発言すると、トラブルに繋がる可能性も高まるので、注意が必要です。
採用面接での血液型に関する質問は禁止されている
厚生労働省は、採用面接などでは血液型に関する質問はしないように企業に求めています。
上記で述べた内容を踏まえたこともあるかもしれません。
ですが、一番はやはり、人種差別やハラスメントを防ぐことを目的として、質問しないように企業に求めていると考えられます。
では、ブラッドハラスメントには、どのような事例があるのでしょうか。
ブラッドタイプハラスメントの事例
ここでは、ブラッドタイプハラスメントの事例についてご紹介します。
- 自分や家族の血液型について、執拗に聞かれた
- 血液型について聞かれたため、B型だと答えると、「あ~、やっぱり!すごいマイペースだからB型だと思ったんだよ。」と言われた
- 血液型について聞かれたため、AB型だと答えると、「え、見えない!大雑把っていうかのんびりしてるから、絶対O型だと思った!」と言われた
- 実際はO型だが、「真面目で几帳面なところだけしか取り柄がないんだから、絶対A型でしょ。」と嫌味満載の口調で言われた
- B型だと伝えると、「B型の人って、自由奔放だしワガママな人が多いから、付き合ってると苦労させられそうでしんどいんだよね。」と言われ、離れていった
上記のように、自分や家族の血液型について執拗に聞かれる。
実際の血液型と血液型上の性格分類を見て、共感するような発言をする。
実際の血液型と血液型常の性格分類を見て、否定するような発言をする。
主に、この3つに当てはまるような言動や行動を行うことが、ハラスメントに該当するか否かの判断基準だと考えてもらって良いと思います。
これらの事例は、嫌味が含まれているものばかりでした。
ですが、何気なく「あ、○型の人って○○だもんね」と言うだけでも、不快に感じる人は存在します。
そのため、血液型に結び付けて発言することは控えた方が、ハラスメントと捉えられる可能性も低くなり、トラブルも回避することにも繋がります。
では、そんなブラッドタイプハラスメントの加害者になってしまわないためにはどうすればいいのか、その対処方法についてみていきましょう。
ブラッドタイプハラスメントの対処方法
ここでは、ブラッドタイプハラスメントの加害者にならないための対処方法についてご紹介します。
特に、無意識のうちにハラスメントをしてしまわないようにするための対処方法について、ご紹介します。
血液型を聞かないようにする
「君って何型なの?」「家族とかも○型なの?」など、血液型について何型かを質問するだけでも不快に感じる人は存在します。
そのため、何型かを執拗に聞き出そうとしたり、血液型に関することを話題に出すことはハラスメントだと受け取られる可能性が高くなります。
相手とのコミュニケーションの一環として、血液型については話題に出さない方がトラブルを回避することにも繋がるので、避けるように意識した方が無難といえます。
性格と血液型を結び付けて話さないようにする
上記でも述べましたが、性格と血液型には科学的な因果関係は証明されていません。
血液型が○型だからといって、その人の性格の一部に結び付けて話をしたり、相手の人格を決めつけるような発言をしていませんか。
それがハラスメントだと受け取られるだけではなく、人種差別だと受け取られる可能性もあります。
そのため、何かにつけて、すぐに血液型と性格とを結び付けて発言することは控えるように心がけることで、トラブルを回避することに繋がります。
つぎに、ブラッドタイプハラスメントの解決方法もみていきたいと思います。
ブラッドタイプハラスメントの解決方法
ここでは、ブラッドタイプハラスメントをなくすための解決方法についてご紹介します。
本人に不快に感じている旨を伝える
ブラッドタイプハラスメントは、その行為者である本人は悪気なく行っている場合が多いハラスメントです。
そのため、ハラスメントになっているという事実を本人に自覚してもらうことができれば、現状を改善できる可能性も高くなるハラスメントであるといえます。
まずは、何かにつけて、血液型に結び付けて発言されることは不快だと、直接本人に伝えてみると良いでしょう。
信頼のできる上司や同僚に相談する
上記のように、直接不快に思っている旨を伝えることが難しいと思うのであれば、信頼のできる上司や同僚に相談するのも一つの手段といえます。
自分では本人に伝えることはできなくても、第三者から伝えてもらえば、波風を立てることなく、現状を改善してもらえる可能性が高くなります。
一人で抱え込まずに、まずは信頼のできる人に相談をして、一緒に解決策を考えたり、そのための方法についてアドバイスをもらうことが重要です。
社内の相談窓口を利用する
上記の方法を試しても一向に改善が見られなかった場合、もしくはさらに状況がエスカレートしている場合には、社内の相談窓口に相談してみましょう。
その際には、ハラスメントの記録を証拠として提出すると、スムーズに対応してもらいやすくなります。
そのため、日頃からハラスメントを受けている場合には、その日程と被害状況を日記に残しておきましょう。
ICレコーダーなどで録音したり、記録を残しておくことが重要です。