モラルハラスメント(モラハラ)とは、言葉や態度などによって人の心を傷つける、精神的な暴力や嫌がらせのことです。
「モラハラ」という略語で呼ばれ、倫理や道徳に反した嫌がらせを意味します。
具体的には、相手を無視する、暴言を吐く、にらみつける、嫌みを言う、嫌がらせをする、馬鹿にするなど、相手をおとしめたり、不機嫌にふるまったりするような言動を言います。
大人のいじめ、というと、わかりやすいかもしれませんね。
モラハラには、職場のモラハラと家庭でのモラハラがあります。
ここでは、家庭での「モラハラ」を中心に見ていきたいと思います。
また、モラルハラスメントとはどのようなものなのか、その特徴や解決方法についても紹介します。
モラルハラスメントとは
モラルハラスメント(モラハラ)とは、言葉や態度などによって人の心を傷つける、精神的な暴力や嫌がらせのことです。
モラハラは、モラル(倫理・道徳)と、ハラスメント(嫌がらせ)を合わせた言葉です。
殴る・蹴ると言った肉体的な暴力ではなく、発言や行動、態度などで相手を精神的に追い込む嫌がらせのことです。
モラハラは職場だけでなく、夫と妻、彼氏と彼女といった家庭内でも起きるものでもあります。
モラハラには、嫌がらせを受けていると、本人が認識しにくいという特徴があります。
たとえば、自分はダメなんだと言ったように、自分自身に問題があると思いこんでしまうケースが多く見られます。
本来は、他人による嫌がらせであるにも関わらず、自分で自分を精神的に追い込んでしまうことが多いのもモラハラの特徴です。
モラハラとパワハラにはどのような違いがあるのでしょうか。
モラハラとパワハラの違い
モラハラとパワハラの違いについて紹介します。
パワハラは、職務上の人間関係が背景にあるところに大きな特徴があります。
それに対して、モラハラは、倫理を外れた嫌がらせとなりますので、特に職務上の人間関係は関係ありません。
また、パワハラは職場で行われるものですが、モラハラは家庭でも発生します。
特に多いのが、夫婦間のモラハラですが、親子間のモラハラもあります。
さらに、モラハラの場合、身体的な攻撃はふくまず、言葉や態度で相手を追い詰める行為となります。
つぎに、夫婦の間で起こるモラハラについてみていきたいと思います。
夫婦間のモラハラ
夫婦の間で起こるモラハラとはどのようなものがあるのでしょうか。
夫婦間のモラハラは、夫から妻に対して行われることが多いと捉われがちです。
しかし、妻から夫に対して行われる場合も、立派なモラハラになります。
今回は、夫が妻に対してモラハラをしている場合に焦点を当ててお話します。
亭主関白とモラハラの違い
亭主関白という言葉を、悪い意味合いで使用している方が多く見られます。
亭主がしっかりと家庭を支えているからこそ、妻などには強く接することが多かったことを指しています。
しかし、強く接するといっても、それは家庭を守るものとして威厳を保つために強く接していただけにすぎません。
モラハラのように相手に精神的なダメージを負わせるために強く接しているわけではありません。
一方でモラハラは、妻よりも夫である自分を最優先に考えています。
相手を自分の思いのままにコントロールするために高圧的な態度や発言、行動を繰り返し行うことで、相手に精神的苦痛を与えることを指しています。
そのため、亭主関白とモラハラでは意味合いが違ってきます。
しかし、亭主関白の家庭ではモラハラに発展する場合が多いため、実際には共通している点も多くあります。
夫婦間のモラハラの例
夫婦間でのやりとりの中に、こういったやりとりはありませんか?
・作った料理を「まずい!こんなの食えない!」と捨てられる。
・体型や服装を見て、「もっと痩せろ」、「趣味が悪い、気持ち悪い」と言われる。
・自分は寝ているだけなのに、何をするにも「これをしろ!」と命令してくる。
・話しかけているのに無視される。また、「うん」「嫌」など、最低限の会話しかしない。
・自分の思い通りにならないと、「役立たず」「能なし」と言われる。
他にもいろいろ挙げられるものはあります。
ですが、上記のように、相手の都合も考えずに自分の思い通りに相手を動かすための高圧的な態度や発言、行動を行われる場合は、立派なモラハラです。
モラハラに当てはまると思った人は、下記の解決方法を参考にしてください。
モラハラされやすい人とは
モラハラされやすい人の特徴として、以下の特徴が見られることが多いです。
・相手に強く言われると、言い返すことができない
・嫌なことでも我慢してしまう
・相手に合わせようとする
・自己評価が低い
・失敗するとひどく落ち込んで反省する
・人のために行動することをいとわない
このような特徴に当てはまる人は、注意が必要です。
特に、夫婦間でのモラハラが起きる理由の一つに、妻が家庭に入ったことで社会から長い期間離れてしまったことが挙げられます。
なぜなら、社会から隔離されたことにより、自分に自信をなくし、夫の言うことが正しいと判断してしまうからです。
そのため、自分を責めてしまいやすく、それが結果としてモラハラにあいやすくなる場合が多くあるからです。
また、モラハラをされた人は、まず最初に「自分に何か悪いところがあったのか?」と考えてしまいがちです。
しかし、モラハラが発生するケースでは、ほとんどの場合が被害者側に問題はありません。
むしろ、自分に何か悪いところがないか、と考えて改善しようとしてしまうと、結果として夫の思い通りに動くことになるので、モラハラを悪化させる原因となってしまいます。
では、モラハラの被害にあった場合はどうすればいいのか、その解決方法について見ていきましょう。
モラハラされた場合の解決方法
モラハラ被害にあったときの解決方法について紹介します。
モラハラをされた場合の解決策として、最も効果的なのは「その対象から離れる」ことです。
モラハラをしている人は、自分のしていることはすべて正しく、他人が間違っていると思い込んでいます。
ですので、その考えを変えようと思うと相当の労力を費やすことになります。
むしろ、長年その考えで生きてきた人の考えを変えることは、極めて困難です。
しかし、なかなか離れる決断ができない、そんな方のためにその他の解決方法を以下にまとめました。
リアクションを大きくしない
モラハラ夫の場合、相手から返ってくる反応を見て、自分自身の承認欲求を満たしています。
そのため、妻からのリアクションが大きくなければ、さらに干渉しようと思うこともなくなります。
「ごめん、ちょっと眠い」「体調悪いから寝るね」などと会話を打ち切るようにすれば、関わる時間も減らすことができます。
自分に良いことをしてくれたら、それを褒める
モラハラをする人に見られる特徴として、自己肯定感が低い人が圧倒的に多いです。
そのため、相手の承認欲求を満たしてあげることが重要です。
精神的苦痛を与えている相手に対して褒めることは容易ではありません。
ですが、自分に対して良いことや、改善してくれたら嬉しいことを、褒めるように伝えれば、承認欲求を満たすことができ、改善を図ることもできます。
毅然として対応する
モラハラをする人は、モラハラを受ける人のことを自分よりも弱い立場にあると認識しています。
一番難しい方法かもしれませんが、相手よりも自分の方が強い立場であると認識させるためには、毅然な態度で接することです。
相手に反論する余地を与えないように理論立てて話をすることで、改善を図ることができます。