テープハラスメント(テプハラ)とは、何をするにしても、テープを回していないかどうかを執拗に確認する嫌がらせ行為のことを指しています。
数多くのハラスメントについて明記してきましたが、ハラスメントの解決策として、よく「ハラスメントの証拠を記録しておく」とご紹介しています。
その録音は、相手に気付かれないように内密に行うものですが、どこまでが正当な録音になるのでしょうか?
こちらの記事では、テープハラスメントとはどのようなものなのか、その事例、対処方法や解決方法について解説します。
テープハラスメントとは?
テープハラスメント(テプハラ)とは、何をするにしても、テープを回していないかどうかを執拗に確認する嫌がらせ行為のことを指しています。
具体的には、様々な場面において、「テープ回してないよな?」「録音なんかしてるやつがいたら、すぐやめろ!」と執拗に確認する行為のことです。
テープハラスメントといえば、吉本興業の岡本照彦社長(52)の話が有名ですね。
雨上がり決死隊の宮迫博之(49)が、「お前ら、テープ回してないやろな。」と岡本社長からすごまれたことを明かしました。
また、自民党の石崎徹衆院議員が、秘書に「死ね」などと暴言を吐いていたというニュースもあります。
その音声記録が公表され、ワイドショーで連日取り上げられるほど、多く報じられました。
録音の有無を執拗に確認する人の心理には、広まったらまずい理由がある。
もしくは、証拠として残されたくないという気持ちがあると考えられます。
この場合、社外秘の内容や、秘密にしなければならない内容については除きます。
そのため、執拗に録音の有無を確認したり、すぐに疑い、追及してくる場合には、何か裏があると考えても良いかもしれませんね。
では、テープハラスメントの事例についてみていきたいと思います。
テープハラスメントの事例
ここでは、テープハラスメントの事例についてご紹介します。
主に、職場の場合の事例についてご紹介します。
- 社内研修の際に、講師が執拗に社員に録音機器の有無を確認する
- どんなに小さな会議やミーティングであっても、上司からいつも「録音していないか?携帯の電源もちゃんと切れよ」と言われる
- 携帯電話を置いていると、上司からすぐに「録音しているだろ!」と疑われる
- ポケットの中などに録音機器がないかどうかを執拗に確認させられたり、携帯電話を机の上に出して電源を切るように徹底される
録音機器がないかどうかを執拗に確認する。
携帯電話などを見るとすぐに「録音しているだろ!」と相手を疑うような行為がテープハラスメントに該当します。
しかし、例外もあります。
社外秘の内容である会議や、ミーティングなどの場で録音をしようとしたことを注意するケースです。
この場合は、録音機器の有無を確認することはハラスメントには該当しません。
どこまでが正当?秘密録音の範囲とは?
秘密録音は、本来であればするべきではないと思いますが、場合によっては、犯罪行為や不貞行為の証拠として有効活用できるものでもあります。
では、どこまでが正当な秘密録音の範囲なのでしょうか?
その基準を、下記にまとめてみました。
- 職場において、社外秘の内容に当たるかどうか
- プライバシー権の侵害に当たるかどうか
- 名誉棄損に当たるかどうか
大きく、この3つに分けられます。
基本的には、録音だけでなく、録画においても同様です。
使用目的が明確なのであれば、どのようなシチュエーションであったとしても、当事者が相手にその旨を伝えなくても、問題なく行うことができます。
そのため、不貞行為や犯罪行為を明らかにするなど、明確な目的がある場合は、刑事罰や犯罪に問われることはありません。
しかし、その内容が社外秘の内容である場合や、第三者のプライバシー権を侵害するような内容である場合もあるかもしれません。
もしくは、明らかに悪意があり、名誉棄損に該当するような内容の場合です。
そのようなケースえでは、慰謝料や損害賠償を請求される場合があるので、注意が必要です。
テープハラスメントの対処法
ここでは、テープハラスメントの加害者にならないための対処法についてご紹介します。
時と場所を考えて発言する
録音機器の有無や、録音をしていないかどうかを確認するのが問題ないケースもあります。
それは、社外秘に当たる重要事項を決定する場合の会議や、外に漏らしてはまずいような内容のものを議論する場合です。
しかし、明らかに録音しても問題のないような場合も、度々に録音機器の有無や、録音をしていないか確認するのは、過剰な行為であるといえます。
用心するため、社内のことを外部に漏らさないようにするためなど、何かしらの考えがあるかもしれません、
それゆえに、執拗に確認してしまう人もいるでしょう。
しかし、それがハラスメントだと判断されてしまうこともある、ということを念頭に置いて行動することが重要です。
必要以上に録音機器の有無を確認しない
ポケットの中のICレコーダーなどの録音機器が入っていないか、ボイスレコーダーや録音アプリを起動していないかなど、録音機器の有無を執拗に確認する人もいるでしょう。
ですが、それらもハラスメントに該当する行為といえます。
講習会や会議を行う際に、毎回ポケットの中身をすべて出させて確認する行為。
携帯電話の電源を切らせて、それを一人一人確認を行うなどといった行為は、過剰であるといえます。
そのため、必要以上に録音機器の有無を確認するのは控えるようにしましょう。
人を疑いすぎない
録音機器の有無や、録音していないかどうかの確認を執拗に行ってしまう人には、ある特徴が考えられます。
それは、他人のことをあまり信用できないということです。
明らかに、外に漏らされたくないような事情を抱えている場合は別です。
ですが、そうでない場合において、人を信用できないが故に、人を疑いすぎて、過剰に確認してしまう場合というのは少なくありません。
そのため、最初から人を執拗に疑うのではなく、信じてみることから始めることが、ハラスメントの加害者になることを防ぐ第一歩となります。
テープハラスメントの解決策
ここでは、テープハラスメントの解決策についてご紹介します。
社外秘の内容は録音させないように体制を整える
社外秘に当たる内容の会議や研修を行う場合には、録音をさせないように体制を整えることが重要となります。
そのため、会議や研修を行う際には録音などはしないようにという旨を新人研修で伝えましょう。
また、マニュアルにも記載しておくと、そういったトラブルは防ぐことができます。
会議や研修の司会者が、その都度、録音をしないように呼びかけるのも、一つの方法です。
あらかじめ携帯電話の電源を切るよう、呼びかけを進行の中に組むと、よりスムーズに伝えることができます。
おかしいことはおかしいと意見する勇気を持つ
録音していないかどうかを執拗に確認してくる人がいた場合に、気を付けて見てほしい観点があります。
- 録音機器を探すためと言って、執拗に触れようとしてくるかどうか(セクハラ)
- 録音しているはずだと決めつけて、人格を否定するような暴言を言う(モラハラ)
- 録音という行為をした時点で、クビにするなどと脅される(パワハラ)
上記の内容に該当する場合、テープハラスメントだけではなく、セクハラやモラハラ、パワハラにも該当します。
あまりにも行為がエスカレートしている場合においては、ハラスメントとして迅速に対応してもらうためにハラスメント対策窓口に相談するべきです。
しかし、確認している当人は悪気がないことも多いです。
そのため、まずはおかしいと思うこと、過剰だと思うことは、しっかりと当人に伝えることが重要です。
信頼のできる人に相談する
あまりにもハラスメント行為が過剰である場合には、一人で抱え込むのではなく、信頼のできる人に相談することが重要です。
誰かにハラスメント行為を受けていることを伝えることで、当人にその行為をやめるように声をかけてくれるかもしれません。
また、ハラスメント行為をやめさせるためにいろいろと協力してもらえる可能性も高くなります。
そのため、一人でははっきりとやめてほしいと言えない場合や、立場上言いにくいときは、一度信頼のできる人に相談してみましょう。
社内の相談窓口に相談する
上記の方法を試しても現状が改善しない場合には、社内の相談窓口に相談しましょう。
ハラスメント行為が行われている事実を社内に周知することで、社内の現状を把握してもらうことができ、対策に応じてもらえる可能性が高くなります。
また、その際には、ハラスメント行為を受けている時の音声をICレコーダーなどで録音したり、日記などに残しておきましょう。
ハラスメントの記録を証拠として一緒に提出することで、よりスムーズに対応してもらいやすくなります。
ここで、繰り返しになりますが、ハラスメント行為を証明するという明確な目的がある場合は、録音・録画行為をしても罰せられることはありません。
なので、安心してください。
最後に
テープハラスメントを行ってしまう人の中には、ただ用心深いだけではなく、外部に漏らされたらまずいことを隠している場合も少ながらずあります。
後ろめたいことがないのであれば、執拗に録音の有無を確認する必要はないですよね。
そのため、過剰に録音の有無を確認したり、録音機器を隠していないかを執拗に疑ってくる場合には、何かを重要なことを隠している可能性もあります。
一度警戒して見るようにするのも良いのではないでしょうか。
また、何かにつけて録音の有無を確認しなくても、信頼できるような社内環境を整えられると大変理想的ですね。