パンプスハラスメントとは、職場において、女性にだけパンプスを強要することを言います。
業務上、必要がないにも関わらず、ヒールやパンプスの着用を強制されることは、パワハラの一種となります。
また、女性にだけ、このような強制を行うことは、ジェンダーハラスメントとも捉えられます。
そこで、ここでは、パンプスハラスメントとは何か、パンプスハラスメントの対処方法・解決方法について、詳しく見ていきたいと思います。
パンプスハラスメントとは?
パンプスハラスメントとは、職場において、女性にだけパンプスを強要することです。
業務上の必要の有無に関わらず、女性にのみ、このようなことを強いることが問題視されています。
パンプスだけでなく、メガネの着用禁止といったルールが女性のみに強制されている職場も少なくはないようです。
これらは、見た目での判断基準となりますので、業務上必要だとは思えないものとなります。
そもそも、業務上、パンプスが必要となるのは、非常に限られた業務になるのではないでしょうか。
例えば、そのような役を演じる必要がある女優であるとか、商品の販売を行うためであるとかですよね。
そうなると、見た目の問題になります。
ただ、ヒールやパンプスではないと、お客様に失礼であるなどという価値基準は、あくまでも主観ですよね。
では、このようなパンプスハラスメントが生まれたのはどういった背景からなのでしょうか。
パンプスハラスメントの背景は?
パンプスハラスメントが現れた背景としては、俳優・ライターの石川優実さんらが「職場でのヒール・パンプスの強制をなくしたい!」と題した約1万9000人分の署名を厚生労働省に提出したことによります。
署名では、女性にのみハイヒール・パンプスを命じることはジェンダーハラスメントだとし、禁止する法規定を作ることなどを求めています。
SNSでは、靴と苦痛、そして#MeTooの意味を込めた「#KuToo 」のハッシュタグと共に多くの女性たちから共感の声が上がりました。
厚生労働省の対応として、根本厚労相は次のように答弁しています。
「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲か、この辺なんだろうと思います」
「社会通念に照らして業務上必要かどうかということ。要は社会慣習に関わるものではないかなと思います」
「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲をこえているかどうか、これがポイントだと思います。そこでパワハラにあたるかどうかということだろうと思います。例えば足をけがした労働者に必要もなく着用を強制するような場合は、パワハラに該当し得ると考えております」
では、このようなパンプスハラスメントには、どのような対処方法や解決方法が考えられるでしょうか。
パンプスハラスメントの対処方法・解決方法は?
パンプスハラスメントの対処方法や解決方法について紹介します。
- 拒否する
- 厚生労働省に相談する
- パワハラの相談窓口に相談する
拒否する
明らかに業務上必要な範囲を超えた要求は、パワハラに該当します。
そのような要求に対して、可能であれば、拒否しましょう。
パワハラの相談窓口に相談する
パワハラに該当する場合は、社内の相談窓口や、社外の相談窓口に相談するという方法があります。
会社との関係上、要求を拒否できない場合には、このような窓口を利用しましょう。
厚生労働省に相談する
また、男女雇用機会均等法に該当する場合には、厚生労働省に相談することも可能です。
では、会社側として、パンプスハラスメントをしないために注意すべきことはあるのでしょうか。
パンプスハラスメントをしないためには?
会社側がパンプスハラスメントをしないためには、従業員に業務範囲を超えた指示をしないように注意することです。
女性にのみ、見た目による強要を行うことは、ジェンダーハラスメントやパワーハラスメントに該当するということを意識する必要があります。