ペットハラスメントとは、動物が原因で人に恐怖を与えたり、何の配慮もなく乗り物やお店に動物を連れ込むなど、動物(ペット)に関する嫌がらせ行為のことを指します。
動物好きの人からすれば信じられないことかもしれませんが、動物が苦手な人は世の中にはたくさんいます。
動物が好きだが、アレルギーが出てしまうという人も存在しています。
その人達のことも考えて、節度をしっかりと守ること、自分の価値観を相手に押し付けないようにすることが重要だといえます。
こちらの記事では、ペットハラスメントとはどのようなものなのか、その事例について触れつつ、対処方法と解決方法について解説します。
ペットハラスメントとは?
ペットハラスメントとは、動物が原因で人に恐怖を与えたり、何の配慮もなく乗り物やお店に動物を連れ込むなど、動物(ペット)に関する嫌がらせ行為のことです。
ペットハラスメントとは、ペットに関する嫌がらせ行為のことを指しますが、それは大きく分けて2つに分類されます。
ペットによる嫌がらせ行為
ペットによる嫌がらせ行為とは、動物嫌いの人がいるのにかわいいから大丈夫と動物に触れるように強要すること。
首輪をつけずに犬を野放しに散歩させたりするなどの行為をいいます。
ペットを飼う上でのマナーを守っていない、人としてのモラルを守れていないケースが多いです。
それによって相手に不快な思いをさせることが多い行為がこちらに該当します。
また、ペットをしっかりとしつけていないがために、周囲に迷惑を与えていると気付かず、嫌がらせ行為をしている場合も、こちらに該当します。
ペットに対しての嫌がらせ行為
ペットに対しての嫌がらせ行為とは、ペットを飼ったにもかかわらず、えさをしっかりとあげない。
殴る蹴るなどの暴行・虐待を行うなどの嫌がらせ行為のことを指します。
また、ペットを飼えなくなったから、もしくはいらなくなったからといって、捨てるという行為もペットハラスメントに該当します。
動物にも命があります。
その命を、私たちの身勝手で害したり、殺してよいものでは決してありません。
一度、動物を飼うと決めたのなら、最後まで責任を持って面倒を見ましょう。
どうしても飼えなくなったとしても、捨てるのではなく、里親を募集することはできます。
代わりに飼ってもらえる人を探すなど、命を守るための行動を起こすことが重要です。
では、そんなペットハラスメントの事例についてみていきたいと思います。
ペットハラスメントの事例
ここでは、ペットハラスメントの事例についてご紹介します。
わかりやすく、ペットによる嫌がらせ行為とペットに対しての嫌がらせ行為とに分けて、事例をご紹介します。
ペットによる嫌がらせ行為
- 家の敷地内で、リードをつけずに放し飼いをする
- 散歩の際にリードをつけない、またはリードを長くしている
- おしっこやうんちを処理せずに、そのまま放置する
- 道の真ん中や家の玄関の側など、場所の配慮なく、おしっこやうんちをさせる
- ペットとの交流を他の人に強要させる(触る、なでる、だっこするなど)
- 周囲の迷惑になるほど吠えているのに注意しない、放置している
上記のように、周囲の人のことを考えず、ペットを飼う上でのマナーやモラルを守らないために行われる嫌がらせのことを指します。
野良犬や野良猫などへの餌付けもハラスメントになります
野良犬や野良猫など、野生の動物にえさをあげるなどの行為も、長い目で見れば嫌がらせ行為になります。
一度、その場で遭遇した野良犬や野良猫にえさをあげてしまうと、ここに来たらえさがもらえると動物は学習してしまいます。
そして、えさを求めて再度その場所に訪れるようになる可能性が高くなります。
そうなると、どんどん野生の動物がえさを求めてやってくるようになります。
鳴き声などで騒音の問題が起こったり、ごみ袋に入っている生ごみを漁って散らかしたりといった被害に繋がってしまいます。
そういった被害を防ぐためにも、一時の情に流されて、無責任にえさを与えるのはやめるようにしましょう。
ペットに対しての嫌がらせ行為
- えさを与えない、または少量のえさしか与えない
- 殴る、蹴るなどの暴力をふるう
- 散歩をしない、適度な運動をさせない
- トイレのお世話を放置する
- ペットを放置して出かける、長時間の留守番をさせる
- サイズの合わない服を無理矢理着させる
上記のように、ペットに対して、ペットが嫌がるようなことを行ったり、暴力をふるったり虐待をするような行為のことを指します。
では、ペットハラスメントの加害者にならないための対処方法についてみていきましょう。
ペットハラスメントの対処方法
ここでは、ペットハラスメントの加害者にならないための対処方法についてご紹介します。
自分の行動が周囲の迷惑になっていないか、行動を振り返る
ペットハラスメントをしてしまう人の中には、無自覚で行ってしまう人も少なくありません。
ペット愛が強すぎる人もいます。
そのような人は、「うちの子は大丈夫」「動物が苦手な人でも、こんなにかわいくておとなしいんだから怖いわけがない」と過信しているケースも。
動物が苦手な人にふれあいを強要したり、無理に近付けたりすると、それはハラスメントになります。
また、マナーやモラルといった面でも、相手によっては嫌がらせ行為になっている可能性も大いにあります。
そのため、一度、自分の行為がハラスメント行為になっていないか、振り返ってみるだけでも、ハラスメントと判断される行為を防ぐことに繋がります。
ペットを飼う上でのマナーとモラルを身に付ける
ペットを飼う上で、散歩させるときは行動を制御できるようにリードをつける。
トイレのマナーおよび処理はしっかりと行う。
上記のような必要とされるマナーとモラルは、ペットを飼う前に確認してしっかりと身に付けておくことが重要です。
「そういえば、しっかりと確認したことなかったな…」と思う人も、一度確認してみることで、ハラスメントだと判断される行為を防ぐことができます。
特に、マナーやモラルといったものは、誰でも調べれば知ることができます。
そして、守ろうと思えば守ることができることです。
ハラスメントだと受け取られてしまう前に、必要最低限のマナーやモラルは守るようにすると、トラブルを回避することにも繋がります。
ペットをしっかりとしつける
相手に不快な思いをさせるかどうかは、ペットがしっかりとしつけられているか否かによっても左右されます。
いきなり他の人に飛びついたり、いつでもどこでも吠え続ける吠え癖がついていませんか。
そのようなケースは、動物が苦手な人でなくても、恐怖心を与えることになりかねませんよね。
しかし、これらの行為はしっかりとしつけてあげることで改善できる行為です。
自分の愛するペットが影響で他の人に不快な思いをさせてしまうのは、動物が好きな人にとってはとても悲しいことだと思います。
そうならないように、特に小さい頃から手をかけてしつけるようにすると、こういったハラスメント行為を防ぐことができます。
ペットを飼うと決めたのなら、最後まで面倒を見る
ペットを飼うと決めたのであれば、最後まで面倒を見るのが、飼い主の責任です。
ペットを飼ったにもかかわらず、お世話をせずに放置したり、いらなくなったからと理不尽にペットを捨てるなどの行為は、人として恥ずべき行為です。
人間じゃないから、子どもじゃないから、といっても、動物であるペットにも命があります。
その命を飼うのであれば、それ相応の覚悟が必要ですし、飼えなくなったとしても里親を探すなり施設に相談するなど、飼い主としての責任を果たすべきです。
ハラスメントを防ぐことにも繋がりますが、第一に、ペットを飼うという決断をしたのであれば、その責任はしっかりと果たすようにしましょう。
つぎに、ペットハラスメントの解決方法についてみていきたいと思います。
ペットハラスメントの解決方法
ここでは、ペットハラスメントをなくすための解決方法についてご紹介します。
不快に思う行為であると飼い主に伝える
ペットハラスメントをしてしまう人は、自分のしている行為がハラスメントになっているということを自覚していない人が多いと考えられます。
そのため、周囲から見たらあまり良い印象を受ける行為ではないこと、改善した方が良い旨などを本人に伝えることが重要です。
ご近所付き合いもあり、直接言い辛い気持ちもわかります。
しかし、言い辛いといって伝えないままでは、加害者本人は自覚することもできなければ、改善することもできません。
それとなく、やんわりとでも、まずは本人に伝えてあげることです。
ハラスメントになりうる行為であることを自覚させることが、ハラスメントをなくす第一歩といえます。
飼い主と身近な人物に相談する
直接、飼い主に不快に思っていることを伝えづらい場合には、飼い主と身近な人物に相談することも一つの手段といえます。
職場でもそうですが、間接的に、上司や同僚などの第三者から伝えてもらうことで、本人に自覚してもらうこと、改善してもらうように促すことができます。
今回の場合では、飼い主と身近な人物である人、例えば、その人が奥様なのであればその旦那様や両親などに伝えると良いでしょう。
ただし、そこからトラブルに発展する可能性もなくはないので、慎重に行動することが重要です。
虐待を発見した場合には、通報する
動物を虐待したり、むやみに捨てたりすることは、法律違反となります。
改正動物愛護管理法 第44条により、懲役や罰金に処せられる刑事犯罪に該当します。
第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの
動物を傷つけるなどの明確な虐待は警察へ
動物を殴ったり蹴ったり、刃物で傷つけたりするなどの明確な暴力行為・虐待は、迷わずに警察に通報しましょう。
ネグレクトなどの場合は以下の機関へ
えさや水を与えない、健康管理を行わず放置する、トイレのお世話をしないなど、ネグレクトに該当する場合には、以下の機関に相談しましょう。
①自治体の保健所
上記のような、動物に対するネグレクトが疑われる場合には、まずは市区町村の保健所に連絡して相談しましょう。
自分の住んでいる管轄の保健所がわからない場合には、厚生労働省の保健所管轄区域案内で探してみると良いでしょう。
②自治体の衛生課
動物の愛護管理を行っているのは、各自治体の行政担当である衛生課です。
自分の住んでいる管轄の衛生課がわからない場合には、環境庁の動物の管理と適切な管理、地方自治体連絡先一覧で探してみると良いでしょう。
③動物愛護センター
各自治体には、動物愛護センターが設置されています。
主に、衛生課や健康福祉局、福祉保健局などに設置されている可能性が高いので、一度調べてみてください。
通報するときの注意点
動物虐待を発見したとしても、ご近所で発見した場合には、自分が通報したことを知られたくないという人は多いと思います。
その場合には、匿名であることを伝えましょう。
もしくは、自分が通報したということを知られたくないという旨を、はっきりと通報先の機関に伝えることが重要です。
そうすることで、ご近所トラブルを防ぐことができます。