ヌードルハラスメント(ヌーハラ)とは、食べ物を食べる時に「ズルズルッ」といった、すする音を発し、周囲を不快な気持ちにさせる行為のことです。
様々なハラスメントが誕生する中、日本人がすする音を発することに対して、在日外国人が世界的なマナー違反だと訴えることが増加しました。
それにより、ヌーハラ問題が世間で知られるようになりました。
外国人だけにとどまらず、猫舌の方や、食べ物をすすって食べること自体に不快感を覚える人に対しても、不快感を与えてしまうことは事実です。
外国人から不快に感じるという声が多くあったことから、ヌードルハラスメントはだんだんと知られるようになりました。
しかし、それを本当になくそうと思ったら、日本人の文化をなくさないと改善されないでしょう。
それゆえに、なかなかに難しい問題といえます。
果たして、ヌーハラは世界のマナー違反なのでしょうか?
ヌードルハラスメントはどのようなものなのか、事例や対処方法、解決方法について詳しくみていきたいと思います
ヌードルハラスメントとは?
ヌードルハラスメント(ヌーハラ)とは、ラーメンやお蕎麦などをすすって食べる時に出る、すする音によって相手に不快な思いをさせる嫌がらせ行為のことです。
また、外国人にラーメンやお蕎麦などの食べ物を、すすって食べるように強要する行為もヌーハラに該当します。
強要した場合には、パワハラにも該当するので、注意が必要です。
日本では、ラーメンやお蕎麦などの麺類、スープやお味噌汁などの汁物、お茶漬けなどの食べ物はすすって食べるという文化があります。
しかし、外国ではすするといった行為は一切しません。
日本ではすすって食べるのが良しとされています。
ですが、外国では、食事中に音を立てて食べることはマナー違反としている国が多いことも事実です。
外国人からすれば、すすって食べる時に出る「ズルズルッ」という音は、トイレや掃除機などの音を連想させるそうです。
なので、すする音をとても不快に感じる外国人が多い傾向にあります。
それを踏まえて出てきたのが、ハラスメントがヌーハラです。
しかし、これを聞いた日本人からネット上で、「なんでもかんでも外国人に配慮するのは違う」「日本に対する悪意を感じる」などの批判の声が上がるようになりました。
そんなヌードルハラスメントには、どのような事例があるのでしょうか。
ヌードルハラスメントの事例
ここでは、ヌードルハラスメントの事例についてご紹介します。
- すする音が嫌いだと主張している人の横で、すする音を発して食べる
- 麺類などの食べ物をすすって食べるように外国人に強要する
- すすって食べないでほしいと言われても、無視して食べ続ける
- 日本に来たからには日本の文化に合わせろと強要する
上記の事例は、すべて加害者が明らかに悪意を持って行っているものになります。
しかし、下記のように、
- 外国人と蕎麦屋に行った際に、日本の伝統的な食べ方だとすすって食べるように促す
- 何気なく座った席の近くに外国人がおり、すすって食べている音が聞こえてしまった
- 自分で食べていても、ズルズルといった音を発していることに気づかない
日常生活の中で悪気なく行っていたことがハラスメントだと受け取られてしまうケースもあります。
では、ヌードルハラスメントはどうすればいいのか、対処方法や解決方法についてみていきたいと思います。
ヌードルハラスメントの対処方法・解決方法
ヌードルハラスメントの対処方法や解決方法についてみていきたいと思います。
まずは、ヌードルハラスメントの加害者にならないための対処法についてご紹介します。
ヌーハラの加害者にならないための一番手っ取り早い方法は、すする音を発しないように食べることです。
外国人やすする音が嫌な人の側ではすすって食べないようにしましょう。
ラーメン屋や蕎麦屋などでは、日本人の利用も多く、環境の面からしても配慮するのは難しいです。しかし、そういった麺類以外のお店では、すすって食べないように配慮するだけで、ハラスメントを防ぐことができます。
また、麺類やスープ類などを食べる際には、れんげを使用して食べることも音を発することを防ぐことができるので、効果的です。
上記でも述べましたが、日本にあるラーメン屋や蕎麦屋では、お客さんの割合も日本人がほとんどです。
食文化である以上、全員にすすって食べるのをやめさせるように促すことは不可能です。
しかし、外国人やすする音が嫌いな人をすする音で不快にしてしまう可能性があるお店は、お店の選択肢から削除することで、ハラスメントを防ぐことができます。
そのためには、事前にどういった食べ物が有名なお店なのかを一緒に調べておきましょう。
そうすることで、お店選びもスムーズにできるようになります。
日本の食文化だからという理由で、悪気なくすすって食べることを勧めてしまう人も少なくないと思います。
しかし、食べ物をすすって食べる習慣がない、すする音を不快だと思ってしまう人達もいます。
すすって食べることを勧められた時点で、ハラスメントだと受け取られてしまう可能性も大いにあります。
そのため、ヌーハラに限ったことではありませんが、不快に思う人に対して、その行為を強要しないようにすることが重要です。
次に、ヌードルハラスメントの解決策についてご紹介します。
外国人の方もそうですが、すする音を不快に感じてしまう人は、その音が不快であると、当人にしっかりと伝えることが重要です。
また、頭ごなしに「うるさい!」や「食べ方が汚い!」と言うのは避けましょう。
「すする音が苦手なので、すすらずに食べてもらえると助かります」など言葉を選ぶことも大切です。
そうすることで、相手も不快に感じることなく、応じてもらえる可能性が高くなるからです。
自分が不快に思うことを伝えないと相手には一切伝わらないので、自分の気持ちを言葉にして伝えるようにしましょう。
ラーメン屋やお蕎麦屋さんなどのお店では、すする音が始終鳴っている状態ですよね。
不快な音がたくさん鳴っていると想像されるお店には行かないように心がけるだけでも、ハラスメントを防ぐことができます。
日本に住んでいる以上、全員の日本人にすすって食べないように矯正し直すことは不可能に近いです。
ですが、そういった面から回避するのも、自分を守るための手段といえます。
どうしてもヌーハラに耐えられない、どう対処してよいのか困ってしまった場合についても紹介します。
その場合は、信頼のできる人に相談するのも一つの手段です。
なかなか当人にやめてほしいと言えない、どう切り出してよいのかわからないなどの悩みを抱えている場合もあるでしょう。
しかし、誰かに相談して協力者を作ることができれば、代わりに言ってもらえたり、こうした方が良いなどのアドバイスをもらえる可能性も高くなります。
そのため、一人で対処できないと思った場合には、抱え込むのではなく、信頼のできる人に相談してみましょう。
ヌードルハラスメントは、外国ではマナー違反かもしれません。
しかし、それは外国での文化であり、日本での文化ではすすって食べることを良しとしています。
こういったハラスメントをなくすために重要なのは、結局、相手が不快に感じることを強要しないことです。
たとえ国籍が違っても、互いの文化を尊重し合う姿勢を持つことが重要なのかもしれません。