普段からみなさんは、ハラスメントという言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。
特に、会社などでは、セクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)というものが行われることもあるというのをご存じの方も多いはずです。
言葉は知っていても、ハラスメントとはどのようなものなのか、意味や定義は何なのか、詳しくはわかりませんよね。
そこで、ここでは、ハラスメントとはどのような意味や定義なのか、その対策や解決方法について、詳しく見ていきたいと思います。
ハラスメントとは?意味や定義は?
ハラスメントとは、さまざまな場面においての、「いやがらせ」や「いじめ」のことを言います。
harassment(ハラスメント)という言葉の意味は、英語でいやがらせ・いじめのことです。
その種類は、どんどん増えており、80種類以上のさまざまなものがあります。
ただ、ハラスメントの定義として共通するのは、他者に対する発言・行動等が、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることです。
もうひとつの特徴として、たとえ悪意がなかったとしても、された本人が嫌な行為はハラスメントとみなされる点があります。
このように、ハラスメントとは、さまざまな場面においての、「いやがらせ」や「いじめ」のことを言います。
では、ハラスメントを受けた場合の対策について、見ていきたいと思います。
ハラスメントを受けた場合の対策とは?
それでは、実際に、自分自身が、ハラスメント行為にあった場合には、どのように対応すればよいのでしょうか。
ここでは、自分でできるハラスメントの対策について、見ていきたいと思います。
できる限り自分で対処する
相手が行っている行為や発言に対して、それがハラスメントに該当すると、相手に伝えるという方法があります。
「それができれば…」と思われるかもしれません。
しかし、実は相手に悪気がなく、ハラスメントであるということを自覚していない場合もあります。
このことを伝えるだけでで改善される場合もあります。
ハラスメントを避ける
ハラスメントを行ってくる相手と距離を置くというのも一つの手段です。
例えば、サークルなどのコミュニティのメンバーからハラスメントを受けているのであれば、そこから遠ざかる、または、そこを辞めるというのも方法です。
どうしても、そこに所属していなければいけないのかがポイントとなります。
会社などでも同様ですよね。
逃げるように思えますが、精神的な疾患を患ってしまったり、病気などになってしまうことを考えると、一つの手段としては有効なのではないでしょうか。
相談窓口などを利用する
会社でのハラスメントにおいて、自分の力では対処できない場合には、社内に相談窓口がある場合は、まずは社内の相談窓口に行ってみるのもひとつの手段です。
しかし、他の上司に相談しても意味がなかったり、状況が悪化してしまったり、という場合には会社の体制に問題があると言わざるを得ません。
そのような場合には、外部の相談窓口を利用してみるのが良いでしょう。
ここでは主に労働、性、人権などに関するハラスメントの公的な相談窓口を紹介します。
労働基準監督署
労働基準監督署では、個人の間でのハラスメントを解決するわけではありません。会社に対して、労働において、体制の見直しやハラスメントを行う人の処分を検討させることができます。
厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
女性の人権ホットライン(法務省)
女性の人権侵害に関する相談を受け付けている窓口です。セクハラや出産に関わる労使関係のトラブルなどを相談することができます。
法務省「女性の人権ホットライン」
みんなの人権110番(法務省)
セクハラやパワハラ、プライバシー侵害など、人権問題全般を扱っている相談窓口です。悪質な場合は刑事事件として告発してくれることもあります。
法務省「みんなの人権110番」
などがあります。
このように、ハラスメントはある程度は避けることができたり、自分で対応できる部分もあります。
しかし、自分では、ハラスメントに対応できない場合には、どのような解決方法が考えられるでしょうか。
ハラスメントに自分で対応できない場合の解決方法は?
ハラスメントは、自分で解決できそうにないくらいに悪質であったり、精神的または肉体的、あるいは経済的に損害がある場合もあります。
自分で対策をとれない場合には、ハラスメントに対して、法的な手段を取ることを検討しても良いでしょう。
ハラスメントの被害にあった場合に、法的手段を取る際にはどのようにすれば良いのか見ていきましょう。
①訴訟を起こすために準備するもの
法的な手段に訴えるためには、証拠がなければ難しいです。
- 被害がわかる記録や録音
- 被害がわかる写真
- メールなどのやりとり
- ハラスメントに対する自分自身のメモ
- 周りのハラスメントに関する証言
- タイムカード
- 病院の診断書
- 会社へ被害を訴えたときの対応がわかるもの
これらのようなものを集めておきましょう。
裁判所は証拠に基づき、事実があったかどうかの判断を下すため、本当に被害を受けていても、裁判官などの第三者にそれを証明できければ、訴訟に勝てない可能性があります。
証拠はどんな些細なものでも、できる限り集めておくことが望ましいです。
②弁護士に相談する
実際に訴訟などといった法的な手段を取る場合には弁護士に依頼しましょう。
弁護士に依頼することで、訴訟だけではなく、示談などの話し合いといったように、訴訟を起こすよりも早く解決ができる場合があります。
ただし、当然ですが、弁護士に依頼するためには、料金が発生します。
それらを踏まえたうえで、依頼を検討してください。
初回は無料で相談を受け付けているところも多いので、まずは一度、近くの法律事務所をホームページなどで確認してみるのが良いでしょう。
③法的手段を取る
弁護士への相談した後、実際に行動に移すことになります。
まず、弁護士からできることは、相手や会社側との示談交渉です。
弁護士という法律の専門家の力を使えば、すぐに問題が解決できることもあります。
しかし、相手や会社側がこちらの主張を受けいれなかったり、事実を否定したりした場合には、訴訟へと発展することもあります。
このように自分で対策をとれない場合には、ハラスメントに対して、法的な手段を取ることを検討しても良いでしょう。
最後に
ハラスメントの定義は、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与える行為です。
その対処方法としては、直接相手に伝えたり、公的な相談機関へと足を運ぶといったものがあります。
しかし、それらでも解決できない場合には、会社などを辞めたり、訴訟を起こしたり必要もあります。
ハラスメントを受けるのは精神的・肉体的に非常に辛いです。
しかし、そこで我慢して泣き寝入りをするのではなく、相手にハラスメントをやめるように働きかけてみたり、公的な相談窓口へ行ってみることが解決へとつながることもあります。