セクシャルハラスメント(セクハラ)とは、性的嫌がらせを意味して用いられ、主に職場などで相手の意志に反して精神的苦痛を与える性的な言葉や行為のことです。
セクハラという言葉は、セクシャルハラスメント(Sexual harassment)の略称です。
1970年代初めにアメリカの女性雑誌「Ms」の編集主幹でフェミニストのグロリア・スタイネムらが作り出した造語です。
セクハラは男性から女性に用いられるのが多く捉われがちですが、女性から男性、または同性間であっても成立します。
セクハラは、世間のニュースでも多く取り上げられるほど社会問題となっています。
そんなセクシャルハラスメントとはどのようなものなのか、その種類や判断基準、対処方法、解決方法について解説していきます。
セクシャルハラスメントとは?
セクシャルハラスメント(セクハラ)とは、性的嫌がらせを意味して用いられ、主に職場などで相手の意志に反して精神的苦痛を与える性的な言葉や行為のことです。
厚生労働省では、職場でのセクハラを以下のように定義しています。
1.職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること(対価型セクシュアルハラスメント)
2.性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること(環境型セクシュアルハラスメント)
(厚生労働省:職場でのハラスメントでお悩みの方へ)
つぎに、セクシャルハラスメントの種類について紹介します。
セクシャルハラスメントの種類
セクシャルハラスメントには、どのような種類があるのでしょうか。
対価型セクシャルハラスメント
(具体例)
- 社用車内で上司が部下に触れようとしたが拒否されたため、配置転換をした
- 普段から、課長が性的な発言を繰り返していたことに対して、社員から抗議されたため、その社員を解雇した
- 事務所内で、派遣社員に対して契約更新のために性的関係を持つことを強要された
上記に挙げたように、性的な言動や行動に対して抵抗したり拒否したことを理由に解雇や降格、減給など労働者に不利益を与えることを「対価型セクシャルハラスメント」といいます。
環境型セクシャルハラスメント
(具体例)
- 勤務中に上司が部下の肩や腰などに度々触るので、その行為に部下が苦痛を感じ、就業意欲が低下している
- 性的な発言を繰り返す社員がいるため、労働者の作業効率が低下している
- 取引先などに対して性的な噂を流されたことにより、労働者が苦痛を感じている
上記に挙げたように、性的な言動によって労働環境に悪影響を及ぼすことを「環境型セクシャルハラスメント」といいます。
では、セクハラの判断基準はどのようにして決まるのでしょうか。
セクシャルハラスメントの判断基準
セクハラの判断基準は、どのようにして決まるのか見ていきたいと思います。
セクハラの判断基準として、厚生労働省が明記しています。
被害を受けた労働者が性的な言動や行動に対して、明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態。
または、心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合であると定めています。
男女の認識の違いや、人によっての違いはあります。
ですが、上記のように抵抗や抗議をしているにもかかわらず、性的な言動や行動が繰り返されているケース。
または、労働者が精神的苦痛を感じている場合には、セクハラに該当します。
セクシャルハラスメントをしないためにはどうすればいいのか、その対処方法についてみていきましょう。
セクシャルハラスメントをしないための対処方法
セクシャルハラスメントをしないための対処方法として、セクハラと判断されてしまう言動や行動についてご紹介します。
性的な発言をする
- 「今月は彼氏と何回やったの?」
- 「今日の服、胸元が強調されてて、すごくいいね。」
- 「ちょっと匂い嗅がせて」
上記のように、業務上必要のない性的発言をすることは、言われた本人だけではなく、それを聞いている周囲にも不快な思いをさせます。
そのため、職場内の労働環境にも悪影響を与える発言は避けるようにしましょう。
ボディタッチをする
- 業務上、必要がないのに肩や腕、腰に触る
- 飲み会などで抱きついたり、太ももに手を置く(または置かせる)
上記のような行為は立派なセクハラに該当します。
相手の意に反し、業務上必要のない身体的接触はしないようにしましょう。
ただし、相手が名前を呼んでも反応しなかったので、肩をたたいた。
人にぶつかりそうで危なかったので腕を引っ張ったなど、常識の範囲内で触れる必要のある場合を除きます。
しつこくメールやラインを送る
業務上必要がないのに、相手の連絡先をしつこく聞いたり、ラインやメールなどで性的な発言を繰り返すこと。
執拗に関係を迫ったりすることは、セクハラと判断される場合があります。
相手の反応を見て、嫌がっている様子がうかがえるようであれば、執拗に連絡先を聞いたり、連絡をとることは避けるようにしましょう。
上記のような言動や行動はほんの一部です。
知らず知らずのうちにセクハラの加害者になってしまう可能性もありうるので、こういった言動や行動は控えることが重要です。
では、セクハラの被害にあった場合はどうすればいいのか、その解決方法について見ていきましょう。
セクシャルハラスメントの解決方法
セクハラ被害にあったときの解決方法について紹介します。
毅然とした態度で拒否をする
性的な言動や行動をしている相手に対して、まずは自分が不快に思っていることを率直に相手に伝えることが重要です。
口頭で言い辛い場合は、メールや手紙などで自分が不快に思っていること、やめてほしいと思っていることを伝えると良いでしょう。
信頼できる人に相談する
上記のように毅然とした態度で拒否をすることが苦手な人もいるかと思います。
また、相手からされた言動や行動がセクハラに該当するのか、判断しづらい場合もあるかと思います。
一人で抱え込まずに、信頼できる誰かに相談することが重要です。
社内の相談窓口を利用する
セクハラ問題を解決するためには、会社がその問題を把握しているか否かが一番重要です。
そのため、まずは社内での相談窓口や人事部などに報告・相談することが大切です。
セクシャルハラスメントの被害者にあったら
セクハラは、性的な言動や行動が原因で起こる問題であり、その相手が上司であるなど社会的に上の立場の人から行われることも多いです。
そのため、なかなか人に相談しにくいものではあります。
なかには人に相談しにくいことを逆手にとって、さらに性的な言動や行動がエスカレートする場合も多く存在しています。
被害に遭った人は、一人で抱え込まずに、まずは信頼できる誰かに相談することが解決への第一歩となります。
また、思いがけず出た言動や行動が相手に精神的苦痛を与えるものであるならば、セクハラと受け取られてしまう場合もあります。
加害者にならないためにも発言や行動には注意するようにしましょう。