ソジハラスメント(SOGIハラ)とは?性的指向や性自認への嫌がらせ

ソジハラスメント(ソジハラ)とは、すべての人が持つ性的指向や性自認に対して、差別的な言動や行動を行うなどの嫌がらせ行為のことを指します。

セクシャルマイノリティーを指すLGBTの特性を持つ人達にとっても、大きく関わっているのが性的指向・性自認を表す「SOGI(ソジ)」です。

最近では、男女平等が謳われています。

それによって、LGBTやSOGIに関しても、企業で対策していくようにと、ハラスメント規制法でも言われるようになりました。

性に関してはだいぶ寛容になってきましたが、それでも、「おかしい」「気持ち悪い」と言われてしまうことは未だに多いといえます。

その内容とは一体どのようなものなのでしょうか。

こちらの記事では、ソジハラスメント(ソジハラ)はどのようなものなのか、事例や対処方法、解決方法について解説します。

ソジハラスメントとは?

ソジハラスメントはどのようなものなのでしょうか。

まず、ソジハラスメントについて説明する前に、「SOGI(ソジ)」についてご紹介します。

SOGIとは、「Sexual Orientation(性的指向)」「Gender Identity(性自認)」のそれぞれの頭文字を取ったもののことを指しています。

ちなみに、性的指向とは、人の恋愛・性愛がいずれの性別を対象とするかを表すものです。性自認とは、自身の性をどのように認識しているかを表すものことを言います。

SOGIと大きく関連している言葉がLGBTですが、その意味についてもご紹介します。

LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、 Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)のそれぞれの頭文字を取ったものです。

セクシャルマイノリティー(性的少数者)の総称のひとつです。

つまり、LGBTなどの特性を持つ人などは特に、性的指向や性自認が一般と異なります。

それについて、「うわ、ホモなんだ」「レズって変でしょ」などと相手を否定して傷つけるような差別的な言動が、ソジハラに該当します。

なお、この言葉は2011年頃から国際社会で使われるようになり、2015年頃からは日本でも紹介されるようになったと言われています。

最近では、SOGIではなくSOGIEという言い方に変わってきています。

性的指向、性自認に続いて、「Gender Expression(性表現)」も追加されるようになったようです。

では、ソジハラスメントにはどのような事例があるのでしょうか。

ソジハラスメントの事例

ここでは、ソジハラスメントの事例についてご紹介します。

  • 同性愛者の人に対して、「ホモって気持ち悪いよ」「バイとかやばいね」などと発言する
  • 実際の性別と性自認が合わない人に対して、「女の子なのに男の子みたいな格好するなんて変だよ」「もう少し男らしくしろよ」などと強要する
  • 男らしくないから、女らしくないからといって、過度にからかったり相手を馬鹿にしたり、暴力を振るうなどのいじめ行為を行う
  • 性的指向や性自認が、生まれ持った性別と違うからという理由で、不当な解雇や異動を言い渡される

性的指向や性自認が、生まれ持った性別と違うからという理由で、精神的・肉体的に苦痛を感じるような行為を受けること。

または、不当な解雇や異動を言い渡されるなどの嫌がらせ行為が、ソジハラに該当します。

では、ソジハラはどうすればいいのか、その対処方法や解決方法についてみていきましょう。

ソジハラスメントの対処方法・解決方法

ソジハラスメントの加害者にならないための対処方法や解決方法についてご紹介します。

性的指向や性自認などの性に関する知識については、学校でも習っているようでいて、実はあまり詳しくは習わない場合が多いです。

しかし、最近では、性に関して寛容になってきていることもあり、テレビなどでも放映されることが増えてきました。

それに伴って、性的指向や性自認について、しっかりと勉強しておくことが大切です。

相手のことをより深く理解できるため、真剣に向き合って話すこともできますし、相手のことを理解することができるようになるからです。

また、人間関係においてのトラブルを回避するためにも、効果的であるといえます。

性的指向や性自認は、本来の性別とは関係なく、人によって異なるものです。

そのため、本来の性別とは合わなくても、人によって異なる=個性によるものなので、それを否定する権利は誰にもありません。

性的指向や性自認を相手の個性だと受け止めて、尊重することができれば、馬鹿にすることやいじめなどの行為につながることはないでしょう。

また、性的指向や性自認に理解がない、もしくは、あまり詳しくない人もいます。

それにより、一般的な人とは違うという理由で、相手のことを馬鹿にしたり、悪口や陰口を言ってしまう場合があります。

ひどいケースになると、殴る蹴るなどの暴力をふるうなどのいじめ行為をしてしまう場合もあります。

にも関わらず、それらの行為を受けている場面を見ているだけの人もいます。

それは、いじめを見て見ぬふりをしていることになるので、結局は自分も相手をいじめていることになります。

そのため、不当な行為を受けていると判断できる場合には、勇気を持って、その行為を止めに行きましょう。

それらの行為が、ハラスメントを防ぐための大切な役割になってきます。

次に、ソジハラスメントをなくすための解決策についてご紹介します。

性的な内容について触れられることはすごく恥ずかしいですし、馬鹿にされたりすると辛いし悲しいですよね。

なかなか勇気を出して反論することは難しいかもしれません。

ですが、嫌だと思ったことは嫌だとはっきり伝えないと、相手には伝わりません。

中には、悪気なく傷つけるような発言を行っている場合もあります。。

勇気を出して、まずは嫌だと思っている旨を伝えることが重要です。

また、ソジハラは性に関する問題になるので、一人で抱え込んでしまう問題でもあります。

しかし、一人で抱え込んでも解決しない場合がほとんどです。

そのため、信頼のできる人には、勇気を出して相談してみましょう。

どのように対処したら良いのかアドバイスをもらったり、協力してもらえることは協力してもらうようお願いします。

それが、ソジハラを解決するための第一歩といえます。

社内でのソジハラを防ぐためには、性に関する研修を行うことも重要です。

ソジハラが起こってしまう原因は、性に関する知識や多様な考え方があることを知らないことが背景にあることも多いです。

そこを研修という形で勉強してもらう機会を作ることで、性に関する知識や多様な考え方を身に付けることができます。

そうすることで、固定概念が覆り、ソジハラを防ぐことにつながる可能性が高くなります。

社内でソジハラを受けている場合においては、社内の相談窓口に相談するのも一つの手段といえます。

その際には、ハラスメントを受けている時の録音した音声や、日記やメモなどに残していた記録などを証拠として一緒に提出しましょう。

そうすると、よりスムーズに対応してもらいやすくなります。

企業には相談窓口の設置や社内体制を整えるなどの対策を求める動きも出てきています。

しかし、セクハラパワハラなどと比べると、まだまだ課題が多く残っているハラスメントであると言えます。

本来の性別と性的指向や性自認が違うといっても、それはあくまでも個性であって、人それぞれ違うものです。

それを理解して受け止めることができれば、性的差別はなくなってくると思うのですが、固定概念を持ってしまっていると、その意識を変えるのは難しいのかもしれませんね。

 

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